菅田将暉主演『アルキメデスの大戦』で再び注目の『戦艦大和』。
日本一の海軍工廠の町、戦艦大和を建造した軍港の町として有名な呉市にある『呉市海事歴史科学館大和ミュージアム』のご紹介です。
また、所要時間も参考程度に掲載しておきます。
この記事では、私が実際に大和ミュージアムに行った感想や大和ミュージアムの展示内容一部を公開。
家族で行っても楽しめる体験コーナー、カップルや友人、一人旅など幅広いジャンルの観光客にも満足してもらえる施設となっております。
色々展示物があった中で、一番心が震えた海軍大尉塚本太郎さんの肉声遺言テープを原文ママ(※大和ミュージアムブログ掲載可否確認済)載せておりますので、そちらもぜひ読んでみてください。
Contents
大和ミュージアム館内(所要時間約2時間)
1F大和ひろば
大和ひろばにある1/10スケールの大和。
まずは、チケットを買って入場すると大和ミュージアムのシンボル10分の1戦艦「大和」がお出迎え。
大和を簡潔に言うと『第二次世界大戦当時、日本の技術を全て結集し世界最大にして最強46cmの主砲を備えた戦艦』の事です。
『戦艦大和』は、昭和16(1941)年12月、呉海軍工廠(海軍直轄の工場)で、当時の最先端技術の集大成でありながら極秘裏に建造された戦艦。
その能力に疑いのない戦艦に期待が寄せられたが、時代は戦艦の大戦から航空機の大戦へ移り変わった事もあり、昭和20(1945)年4月7日、沖縄特攻作戦に向かう途上で米艦載機の攻撃を受け能力を全て出し尽くせずに沈没した悲劇の一面も持つ。
その結果、乗員3,332名のうち3,056名が戦死しました。
しかし、戦艦「大和」は悲劇の面だけではなく、戦後の日本に大和の高い建造の技術は生き続け、世界一の大型タンカー建造だけにとどまらず、自動車や家電品の生産など幅広い分野で応用され、日本の復興を支える大きな役割も果たしたいい側面もあります。
下からみた迫力の大和
1F企画展とA展示場(呉や大和の歴史など)
46cm主砲火薬缶の貴重な遺品。
平成28年に引き揚げられた遺品で、当時大和には、火薬缶が約3千個積まれていたと言われています。
缶1個に重さ約50キロの火薬袋を2袋保管することができ、主砲1発の発射に5、6袋を使っていたそうです。
A展示場は年表ごとに説明するポイントが分かれております。
内容としましては、東洋一の軍港、日本一の海軍工廠の街として栄えました呉の歴史や、 呉鎮守府の話し、呉の戦時中の話し、呉の戦後の話し、大和の話しなど内容が濃くてあっという間に時間が過ぎますよ。
近代文化産業遺産にも登録されている『ヤーロー式ボイラーを焚いている様子』
大和の技術。
「大和」は、国力面におけるアメリカ側の”量”的優位に対し、日本が”質”で対抗しようとした艦であり、当時の最新技術の結晶と言えるもの。
大和の技術はのちに、製鋼や建設、新幹線の技術や自動車分野など多岐に渡って応用されました。
それは、日本の高度経済成長期に大いに影響があったと思います。
1F大型資料展示室(塚本大尉の肉声テープあり)
ここの展示室の物はキレイに復元し、本物を展示しておりますので迫力がありますよ。
写真左が魚雷で、右奥が回天です。
回天とは人間魚雷の事で、海の特攻ですね。
潜水艦から発射された後は、敵艦艇めがけて突入するもので生還の可能性はなし。
ここでは、その回天に搭乗した青年の肉声テープが残っており展示されておりました。
遺書は残っていても、肉声テープは大変貴重だそうです。
淡々とした声でハキハキと冷静に喋る、覚悟を決めた青年の魂の肉声テープを紹介したいと思います。
塚本太郎大尉 慶応義塾大学卒 21歳で戦死
(以下原文ママ)
父よ、母よ、弟よ、妹よ。
そして永い間はぐくんでくれた町よ、学校よ、さようなら。
本当にありがとう。
こんな我儘なものを、よくもまあほんとうにありがとう。
僕はもっと、もっと、いつまでもみんなと一緒に楽しく暮らしたいんだ。
愉快に勉強し、みんなにうんとご恩返しをしなければならないんだ。
春は春風が都の空におどり、みんなと川辺に遊んだっけ。
夏は氏神様のお祭りだ。
神楽ばやしがあふれている。
昔はなつかしいよ。
秋になれば、お月見だといってあの崖下に「すすき」を取りに行ったね。
あそこで転んだのは誰だったかしら。
雪が降り出すとみんな大喜びで外へ出て雪合戦だ。
昔はなつかしいなあ。
こうやってみんなと愉快にいつまでも暮らしたい。
喧嘩したり争ったりしても心の中ではいつでも手を握りあってー
然しぼくはこんなにも幸福な家族の一員である前に、日本人であることを忘れてはならないと思うんだ。
日本人、日本人、自分の血の中には三千年の間受け継がれてきた先祖の息吹が脈打ってるんだ。
鎧兜に身をかため、君の馬前に討死した武士の野辺路の草を彩ったのと同じ、同じ匂いの血潮が流れているんだ。
そして今、怨敵撃つべしとの至尊の詔が下された。
十二月八日のあの瞬間から、我々は、我々青年は、余生の全てを祖国に捧ぐべき輝かしき名誉を担ったのだ。
人生二十年。
余生に費やされるべき精力のすべてをこの決戦の一瞬に捧げよう。
怨敵激攘せよ。
おやじの、おじいさんの、ひいおじいさんの血が叫ぶ。
血が叫ぶ。
全てを乗り越えてただ勝利へ、征くぞ、やるぞ。
年長けし人々よ、我等なき後の守りに、大東亜の建設に、白髪を染め、齢を天に返して健闘せられよ。
又幼き者よ、我等の屍をふみ越え銃釼を閃めかして進め。
日章旗を翻して前進せよ。
我等今ぞいかん、南の海に北の島に全てをなげうって戦わん。
大東亜の天地が呼んでいる。
十億の民が希望の瞳で招いている。
みんなさようなら!
元気で征きます。
「僕はもっと、もっと、いつまでもみんなと一緒に楽しく暮らしたいんだ」
この一文が青年の素直な気持ちをストレートに吐き出していて、私は胸がつまりました。
私にはこれ以上伝える言葉の引き出しがありません。
ぜひ、録音テープを聞いて下さい。
零式艦上戦闘機六二型。
いわゆる零戦ですね。
琵琶湖で発見された不時着水没機を修理、復元したとの事です。
特殊潜行挺『海竜』
こちらは、世界初の有翼潜水艇で任務を終えれば無事に帰れます。
3F船をつくる技術(子供が楽しんで学べるコーナー)
2Fは大和を上からの角度で見渡せる展示デッキになってますので、2Fをとばして3Fの紹介です。
3Fは、子連れに優しい体験をしながら船について学べるコーナー。
船の造り方、船の重さや種類など船に関する事を子供でも理解しやすいように、分かりやすく丁寧に解説してます。
こちらの利用は無料で、入館料の支払いのみで利用できます。
こちらは船の運転を疑似体験できるゲーム。
土日は順番待ちする程、大人気ですよ。
海上の交通ルールを勉強できますよ。
こちらはボタン一つで波を起こしてくれる機械。
このコーナーは、船の材料の違いで重さが違う事を引っ張ったり、たたいたり、持ち上げたりして勉強・体感できるコーナー。
木製の船のパズルを何秒で完成させれるか?というコーナー。
結構難しいですよ(;’∀’)
4Fテラス
こちら4Fのテラスから見た景色です。
瀬戸内海や旧呉鎮守府や戦艦大和を造っていた建造ドッグなどが見渡せますよ。
大和ミュージアム館外(所要時間約30分)
こちら大和の建造物ではなく、戦艦陸奥(むつ)の引き揚げ品41cm主砲とスクリューです。
人との対比などが写真になくて大きさが分かりづらいですが、とっても大きくて迫力がありますので、ぜひ現物を!!
こちら大和ミュージアムの正面ではなく裏手側。
思わず寝転びたくなるようなキレイな芝生と景色がオシャレで散歩をしたくなります。
奥にはちょっとした展示物もありましたよ。
料金・開館時間・休館日・アクセス・駐車場など
料金
区分 | 個人料金 | 団体料金 (20名以上) |
---|---|---|
一般(大学生以上) | 500円 | 400円 |
高校生 | 300円 | 200円 |
小・中学生 | 200円 | 100円 |
※ 未就学の幼児は無料です
開館時間
- 展示室・ミュージアムショップ 9:00〜18:00(展示室入館は17:30まで)
- ライブラリー 9:00〜17:00
休館日
基本的に火曜日。
公式HPのカレンダーを確認下さい。
アクセス
車の場合は、広島駅から23Km約30分です。
電車の場合は、広島駅から約1時間8分です。(呉駅から大和ミュージアムまで歩いて7~8分含む)
駐車場
大和ミュージアム駐車場は、施設すぐ隣に有料駐車場(1時間100円、285台)がありますが、土日祝は大変混雑する為、呉駅西側の「呉駅西駐車場」がオススメです。
グーグルマップの表示は約14分と出ておりますが、実際には徒歩10分程です。
駐車料金が最大200円割引になりますので、大和ミュージアム観覧券の半券を忘れずに、駐車場管理室まで持っていくように。
大和ミュージアムの詳細
- 遊べる年齢:小学校低学年~大人
- 遊べる時間:2~3時間
- 施設利用料:有料
- 駐 車 場:あり(有料)
- 授 乳 室:あり
- おむつ替え:あり
- ト イ レ:あり
- 雨 の 日:〇
- 喫 煙 場 所:ー
- お出かけ日:2019年7月
- 公 式 H P:https://yamato-museum.com/
大和ミュージアムは、家族で来てもカップルできても一人で来ても満足できる施設。
色々な展示物や体験などできますが、やはりタイトルの肉声テープは必聴です。
ぜひ、周りの観光地なども合わせて大和ミュージアムに立ち寄ってみてください。
他にもオススメの呉の遊び場や観光場所がありますので、また後日、オススメ呉1日周遊コースの記事も書いてみようと思います(*^^)v